Category : Wood the others

MusicBooks 5 Jazz Tenor Sax ④

CDの無いミュージックブック はるか昔に廃版となったため、在庫分のみの販売です。 スタン・ゲッツ、ジョー・ロバーノ、マイケル・ブレッカーがありますが、楽譜的面白さなら「ジョーヘン」こと"Joe Henderson" 豪快なテナーを聞かせるって感じでもないらしく、ボソボソ吹いて・・・わかりやすく面白い(やりたくなる)と思えるスタイルを作っているようでもない、って言うのが一般的なイメージだ。マウスピースだってセルマーだかオットーリンクだかメイヤーだか、よくわからないが、ラバーのマウスピースでオープニングも狭かったらしく、先ほどのようなスタイルを好んでいたのも、うなづける。 そんなだから道具を勧める立場として楽器屋泣かせで、特に若いプレーヤーには理解してもらえそうにない。だが、ジャズ的(アドリブ的かも)な面白みがあり、楽譜なんてあるわけがないー彼の(頭脳内にある)演奏スタイルが形で見えるのは貴重、若い方にはコピー、オールドマンにはリスニングがおススメの一品です。

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RICO JAZZ SELECT OLD Reeds Only Alto Saxophone⑦

ブランド名:RICO 名称・仕様:Jazz Select・French & America Cut 用途:Alto Saxophone 一部Bariton Saxophone 現在のメーカ名はダダリオ、元々のブランド名は「リコ」と言い、こっちの名前が長いので馴染むっていうプレイヤーも多い事だろう。 2000年初めころに資本提携ーまあ買収というか「ブージーアンドホークス」から買い取られて現在に至っています。在庫の多くは、ブージーからの買収後、ブランドはそのままでダダリオのシールが貼られていた頃のものと買収前頃のジャズセレクト。 発売当初は、"Jazz Select"と、それよりダウングレードとされる「RICO Jazz"」っていうブランドも存在していまして、違いは、一般的な0.5刻みのラインナップと"Select"ほどはセレクトされていない(だろう)点。 さてここでのセレクト、その頃の、まさに名前の通り「セレクト」です。これをリクエストするプレーヤーは、(リードの件に関して)来店が少なくなりました。サックス吹きの悩みが一気に吹き飛ぶようなありがたい話で、こんなのばっかりだったらプラリードの愛用者も相当減るだろうと思われ、現在ではちょっと考えられないことです。 問題があるとすればー価格の方。要するに当時の平均的価格からいうとまあ・・・ちょっとどころではなく・・・高い。アルトの定価で5500円、もちろん税別で多少なりとも値引きがあったとしてもそれなりです。当時は同じアルトでもバンドレンは、二千円の半ば、ラヴォーズだって三千円ぐらいだった(記憶に間違いが無ければ)ことを思うとそれなりに勇気がいるチョイスとは言えます。メーカ側もある程度は織り込み済みだったかも(又は超強気))とは思うものの、販売が伸びたのかどうかわからない。耐久性と品質面、バラツキのめっちゃ少ないことを合わせて、高品質であったことには間違いなく、その点では「手間暇かかってんだあ」って声が聞こえてきそうで、強気に出るのもわからなくもありません。 (何かの事情があったかそれとも・・・)2000年かその前後に、その下位に相当する「リコジャズ」が廃版となり、「セレクト」の価格が下がって再登場する。価格は、以前の7割(程度)まで下がり、これならーと販売アピールしたところどうなったか・・・当初は飛び付きもあり、需要は増えましたーが、半年を過ぎるころから他のリードと同じ道をたどります。値段が尋常じゃあなく下がっているのために「全く同じではない」という感想もありましたが、リード自体の方向性(プレーヤーの好み)によることが判明したためで、プレーヤーの方が、品質だけでは、使っていないことが、このことからも伺えます。バンドレンの(jaZZ→)"ZZ"もそのネーミングから当初は話題になりましたが、まあ同じ傾向(好みによる)をたどっています。 【こっちは昔の写真を使っていてテナー用もありません】 リードの項目でも説明していますが、ジャズセレクトは、全体的に弱めのコシでセッティングされ、中程度の厚みでカット。ザラツキ感に適度なこもり感が乗っかり、ジャズのサウンドメイクで言うと中間的ポジションと言えます。あと店にとってはあまりありがたくない、ファイルドとアンファイルドがあり、ファイルドの方がホンの少しコシは強めに感じるようです。が、数字が大きくなるとほとんど変わりません。 以上、オールド物でペーパホルダーの方は、20年程度は経過しても新鮮そのもの! おススメ品の「ブラックボックス」在庫は、"2H"のみ、同じく「ブラックボックス」プラホルダーの"2M""2S"はそれなり在庫、多少なら「まとめ買い」対応できます。ただし昔の定番だった"3S""3M"は、もうありません。

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ちょっとだけまじめなリードの話です③

アルトサックス吹きのTさん、半年に一度くらいで来店し、その都度リードを買ってもらっている。お好みは♯2‐1/2(か、それ相当)薄いめのリード。しかし、ある時から4番を買っていかれるようになった。でも、それが、なんと、あの青い箱。 きっかけは、うちにある長期在庫品を自慢話のごとく、熱~く語っていたら、ありがたいことに「一箱もらおうかな」と、買ってもらった事がはじまりだ。とは言え「前回の来店はいつだっけ?」というくらい前の話、このコロナ禍のことなんで、すっかり忘れていた。 そんな流れで買ってもらったものだから、久しぶりだしひょっとすると焚き木にでもしているのではないかと、聞いてみると・・・(やっぱり)削っているそうだ。まあ普通の答えだと思うが、それにしても(先ほどのように)彼の場合、コシの弱いものが好みのはず、加工するにしても相手は、あの「青箱の4番」、削るって言ったって限度があるだろうと思い、訪ねてみる。 ー削って使うんだよね?どう使ってんの? 「ええ、削ってます、でないと全然吹けないので。ペーパーとかトクサとかのレベルじゃなく、鉛筆削るみたいに小刀で。」 ーそりゃそーだろう、普段使っているのからいうと、ベニヤ板並みだよね? 「まあ、何枚かの削りカス見てたら、版画でも彫ってんの?って感じですね」 ー相当(強力なコシ)だと思うけど、オリジナルを吹いてみたとか? 「ええ、口を付けただけですが、(4番ですから)コシの強さは材木並み、そのままじゃとても使えませんから何とか使えるように鉛筆削ってます。一枚ほど、いい感じになったんで、ちょっと調子に乗りました」 ーでも、あれは10枚入り。全部使ったの? 「うーん・・・まあ使ったと言えばそうだし、ほとんど失敗してますからね。初めは手間がかかり過ぎて(挫折)、今度はやり過ぎて(ペラペラ)、なんとか『いい感じ』って喜んだのもつかの間、(よくある)なんかあっけなくヘタるし、なかなかすぐには上手くいきません」 ーそれでも、完成したわけだ。 「いいえ、まだです。"V16"だか"RICO"だかよくわかんないのができましたが、偶然ですね、試行錯誤しているうちにたまたま・・・って感じです。リード的には好みではありませんが、長持ちしてます。なんか素材(ケーン材)は最高ですね。最初『まだちょっと厚いかな』って思っていましたが、使っていくとなぜかすごく振動するようになりました。もう3か月くらい使っていますが、(音が)開く感じもなく、フラジオも問題ありません。(試しに)毎日のように使ってきて、なぜか『いい感じ』になってきたので、俄然やる気がでました。素材は最高ですが、まだコシの強さが(調節できずに)あるので、一方を4番に変えて使ってます。」 {見た目は全くわからない} ーよんばん?何のこと? 「ああ、メイヤー、マウスピースですよ。今それ(リード)のコピーを作っています」 ーコピーって、どうやって?また削ってーかね?それとも機械・・リードメイキングマシーンでも買ったとか? 「そんなの買いません、いくらするんですか?(ー知らないけど100万くらいだったかも)そんなの買えないし、それだけあったらまとめ買いして、(悩まず)ずっと吹けますよ。でも道具類はいくつか買いました、よーく切れる刃物とか」 ーなんか、すごいけど、だんだん大袈裟になって・・・めちゃめちゃな感じするな 「慣れましたが、手間ですね、やっぱり」 ーそれだったら、いつものやつの微々調整とか三番程度からやった方が、すぐに結果出るし、楽じゃないの 「今までそれもやってました、ダメなものだけですが。それでもよかったんですが、なんていうのかな・・・何か違ったんですよねえ。この際だから調整っていうじゃなくて根本的に手を入れるとどーなるかって」 ーよくまあ、そんな考えに行き着いたね。 「まあ、押し売りされたんで」 ー・・・・まあ押し売りついでにジャズセレクトはどう?相当いいよ 「検討していきます」

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Reed Rico②

ブランド名:元Rico 現在D'Addario 名称・仕様:やっぱりリコ。リコーと伸ばすこともある・10枚・シングルカット 古くはダンボールみたいな外見の通称「茶箱」と呼ばれるパッケージが(年配の方は懐かしい)有名で、その後オレンジ箱となり、今に至っています。「リコ」を代表するリードですが、最近では在庫している店も少なくなり、使っている方というと「最初から・・・」というより「あれこれ使ってたどり着く」というプレーヤーが多いようです。 元々は普及ー買い易さに重きを置いているためか価格設定が低く、25枚入り(現在は販売されていません)の徳用ボックスも唯一ありました。 良くも悪くもバラつきがあり、「とにかく鳴れば良い」の発想だったかもしれないが、仕上がりが雑味のあるドライなサウンドで、その「シブさ」がと合いまったか、スタンダードジャズ---特にコンボでは、その適度なコモリ感がテナーサックスの方で特に好まれました。そのかわり当然ですが、リードのガサつさを避けたい方やスウィートな方向を目指す方には、あまり人気がありません。 テナーサックスのKさん、アルトサックスのOさんなんかは今でも愛用のご様子(多分)で、安さを優先すれば初心者向き(最近は全くいません)、コクの深さ味わいで言うなら上級者向きと言えます。

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Reed Vandoren “V16″②

メーカ名:Vandoren 名称・仕様:V16・シングルカット バンドレン社のリードで同シリーズのマウスピースが発売されていることもあり、JAVA同様、主にジャズやポピュラーミュージックを意識しているよう。リードのヒールに近い部分から振動するようなフィーリングで目の粗い比較的硬質な鳴り方が特徴的。バンドレンのトラディショナルほどではないが、(比較的)強めのコシを持っているため、音色的な部分よりくわえた安定感を求めるとか、もしくはそのコシの強さと音色の硬質感を目いっぱい生かして、大胆かつパワフルにプレイするとかが、持ち味を発揮するはず・・・。これでできないってことはないが、細かく鳴らしきるとなると割合い難しく、ボソボソとあるいは神経質にプレイしたいのであれば、他が選択肢があるだろう。イメージ固まってしまいそうだが、その昔、デビットサンボーンが、使用していたことで知られています。 Soprano,Alto,Tenor の各Sax用のみのシングルカット。

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Reed Jazz Local 627

メーカ名:Gonzalez 名称・仕様:JAZZ LOCAL 627・シングルカット リードのメーカーはゴンザレス、産地(?)はアルゼンチン製です。メーカーとしてはあまり知られた存在ではないかもしれませんが、フランス製の人気が大半を占める日本にあってOboe,Fagottoでは素材供給として老舗であり、実は大変ブランド力が高いメーカーです。 10年程度前からはクラリネット、その後サックス用シングルリード(完成品)の供給をクラシックユーザ向けに開始、バレーションを充実させながら、10年くらい前からはジャズ向けにこのタイプを発売しています。 最近のリードにしてはちょっと珍しい薄めのカット形状ですが、コシは強め。かといって鳴らしにくさはなく、しっかりとした吹き応えとかすかな雑味が混ざった密度の高い「鳴り」が特徴的です。元々4分の1刻みの設定だっただけにバラつき感も少なく安定した吹き心地が味わえるところもメリットかと…。 アルトは10枚入り、テナーサックスは5枚入り。

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Reed La Voz ④

ブランド名:La Voz 仕様:10枚・シングルカット リコー社に吸収後、現在はダダリオに引き継がれているブランド。MS / M / Hなど、強度表示も独自でこれは変わりなし。テナーとバリトンサックスは、ボックスで5枚入りに変わりました。 元々独立したメーカで往年のジャズシーンにおいてはスタンダード的な存在、アルト、テナーとも高い人気があった。ボックスデザイン変更の度にリードの方向性が微妙に変わってきている事に熱~いユーザたちの離反を招いたのとリードに対する要望が多様化してきていることから最近では、一時期のような流行はありません。 全体的に薄めにカットされ、コシの強さは弱めに感じるがリードポイントが奥側で、サウンド自体にも不揃いなザラツキ感がある。そのためかバズ(ざらついたような息の音)を含ませやすく、エッジの効いたサウンドであり、レスポンスの良さとニュアンスがつけ易いなどが主な特徴。その辺りを中心に考えると上級者御用達(プロミュージシャンであるSさんのお好みです、最近も使っていらっしゃるかどうかわかりませんが・・・)鳴らし易いところで、そのままザックリ吹いて「初心者でも十分・・」とも言えます。 今でも(少数ですが)コシの強いモノには、人気があり、個人的には”H"ハードがおススメです。吹き易さはありませんが、スウィートで濃厚、やり方ではヘヴィなサウンドが味わえます。

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Reeds D’Addario Jazz Select ⑤

ブランド名:D'Addario(RICO) 名称・仕様:Jazz Select・フレンチ&アメリカンカット メーカ名はダダリオ、在庫の多くは、リコとそれの間くらいのジャズセレクト。 各ナンバーに S / M / H の硬度があり、より細かく設定することにより「セレクト」され、ネーミング通り、バラツキ感を極力少なくした(と言われる)リード。 ジャズユースとして、その方向性が中間的ポジションと言えるザラツキ感と適度なこもり感が乗っかったサウンドです。シングルとダブルカットがあり、シングルからするとダブルカットの方が音色が明るめに感じるようだ。 リード全体的で言うとコシの強さが弱め、鳴らし易いリードの一つです。最初に触れた通り強弱表記のイメージから細かく対応できるところも特徴的だが、細かすぎるのは、店側からするとあれやこれやと在庫が増えるのであまりありがたくない。ただ使っていくと人気のあるものないものーと偏ってくる・・・という点では意外と重宝していた。下の方にイメージ写真を挙げてはいますが、デザイン変更前のもので現在は、ほぼ真逆の「白」が押し出たカラーとなっています。 理由は不明ですが、「古い在庫があるうちは使う」と一部頑固なユーザーのために少しだけ、一部の強度、まだ、あります、「黒い箱」

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Rigature , H-LIGATURE(Harrison Hurtz Type)

ブランド名:D'Addario 型式・仕様:H-Ligature(HarrisonType)・GP/SP かつてはリガチャーの代名詞のように言われ(特にクラリネットで)高い人気がありましたが、(オリジナル)ハリソンハーツ(米国製)自体はすでに生産を中止。後継モデルであるこのタイプの製品が各ディーラーから販売されており、かつてのオリジナル同様に人気があります。 クラリネットおよびソプラノ、アルト、テナーのラバー用、さらにテナーメタル用にはOtto Link用が在庫。プレミアタイプもお試しくださいませ。ツウィンのアッパースクリュータイプでキャップ付き。当店ではちょっとしたことで人気ものに変身!!

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Grand Concert Select

ブランド名:D'Addario 名称・仕様:Grand Concert Select Vandoren Traditional とならんで、クラシックユースでの需要が高いリード。 滑らかでピュアな音色が得られるよう改良が施され、クラリネット用にトラディショナルの他、赤と黒のツートンカラー「シックブランク」やシルバーとブラックのツートン「エヴォリューション」等のブランド名でダブルカットのみならずシングルカットもあり、バリエーションも豊富。サックスだと「セレクト」とレゼルブがそうで、コシが若干弱めで初級者の方でも比較的鳴らし易いよう。クラシックユースとしては「まとまり感」があるリードと言え、個々のバラツキ感も比較的少ないところもセールスポイント。 ダダリオ、突然出てきたようなブランド名だが、以前はRICO。約20年前にダダリオの傘下となり、外側から徐々にブランドチェンジを行い現在に至ります。

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Reed Vandoren “Traditional”②

ブランド名:Vandoren タイプ・仕様:Traditional・ダブルカット  「トラディショナル」というネーミングからしても、バンドレン社を代表的するとも言えるかもしれない。吹奏楽をはじめクラシックユースでの需要が極めて高いリードで、長時間の演奏などにおいても安定感があることに加え、キメが細かくピュアでクリアーな音色が得られるよう設計されてはいる。稀にそれ以外のジャズ的な使い方でクラシカルとは一線を画すサウンドが作れるプレイヤーも散見するが、技術的な部分と方向性によるところが大きいので、やはりトラッド以外がおススメだ。 よく見かけるメーカーであることから、手に入り易いリードの一つとも言えます。 全体的に特有の強いコシを持つところが特徴で、それを最大限生かして使っていくには、コシの弱い番手から徐々に「馴れて」いくのがポイント。 同メーカからは、トラディショナルの他、"JAVA""V16""ZZ"が、サックス用にラインナップされているが、近年ではそれより厚めにカットされた「V.12」がクラリネットだけでなく、サックスでも発売。さらにV21なるものラインナップに加わり、解説を読んでもどういった方向性なのか店側も購買者も意味不明。今月からついに定価で¥5,500となったが、よりプレミアム感を期待したい。

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Reed Medir

ブランド名:Medir 型式・仕様:American・5s/Box ここ数年来で愛用者を増やしているブランドで産地はスペイン。 元々は他社ブランドのOEM生産を行っていたために、(当然ですが、表に出る事も無く…)一般的にまったく馴染みのないブランド名ですが、委託生産を受けていたくらいなので、メーカとしての歴史は結構古い。 全体的にコシの強度は弱めで、バラつき感も少ないほう。歯切れがよく、適度に雑味(スモーク?)がかったドライがかったサウンドのなるところが特徴です。 シングルカットでソプラノ、アルト、テナーサックス用とも5枚入り。  

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