YAMAHA YTR-8335 LA “Wayne Bergeron” Light Tuning Model③

メーカ名:YAMAHA
型式・仕様:YTR 8335 LA “Wayne Bergeron” Model・Original light Tune
久々ですが、「ヤマハ」のカスタムトランペット、YTR-8335 LA、「ウェイン バージェロン」モデルが入荷したので、ちょっとだけマニアックなTさんにリポートしてもらいました。
YTR-8335LA Front Side YTR-8335LA Back Side

***まず、仕様説明をお願いします***
まずリードパイプがゴールドブラスを使用した”LA”用のオリジナルのようです。ボアは、ミディアムラージボア、メインチューニングは支柱の付いたタイプになっていて、” (YTR8310)Z”とは違ってリバースタイプになっていませんね。メインチューニング管ですが、インレット、アウトレット共にインナーパイプの管厚が薄く、一見したところライトウェイトみたいに見えますが、他のところ・・・例えばピストンの枝管の方とか、(ゼノと同様)従来の肉厚で作られているようなので、ライトウェイトとかを特別に意識している訳ではなさそうです。この部分にLボアを使っているため、(外径が同じようなサイズのため)結果的にそのように見えている(している)のではないかと思います。
ベルは、カタログデータですが、”(8310)Z”と同じの”A”タイプ、直径127mmなので”(YTR8340)EM”モデルほどではありませんが、(ゼノに比べて)ほんのちょっと大きめです。でもライトウェイトベルになっていて”LA”モデル用のオリジナル、ベル縁を弾くと(他のAタイプベルと比較して)高めに響きます。他には”Z”同様に、ヤマハのトレンドとなっているフレンチビート仕様、ベルの継ぎ目を内側にして、そこにリンケージを取り付けるヤマハ独自のサイドシームを採用しています・・・が、最近よくアピールしてますよね?何か良いことでもあるのかなあ?
***僕に聞いてるんですか?ふーむ・・・継ぎ目の上に溶接するのだから安定した剛性となる、よって鳴り方の方向もバラツキにくくなるし、より指向性もでる。結果、ターゲットを達成、品質的に一定になりやすいってことでしょうか?***
でもヤマハって元々品質が「売り(=買い)」でしたよね?
***じゃあ方向性を重視したとかですかねえ?詳しいことはわからないのでヤマハ○○さんにでも聞いてください***

YTR-8335LA Main Turning Slide YTR-8335LA Main Turning Slide is L Bore

**外見とか持った感じ‥見た目の印象とかは、どうですか?
本体の方はバルブケーシングをはじめとして、各チューニング管のレシーブ側もブラス材を使用しており、パッと見には濃いラッカーがGPみたいです。持った感じだと、うーん…(ヤマハの)カスタムクラスの中では軽い方かなあ?他には・・・メインチューニング管の支柱がニッケルシルバー製、1stにカニ目が一つ、3rd管のリンケージが2つ、ストッパー台座がアウトサイドにありませんが、基本設計は型式(YTR-8335)にあるとおりXenoの延長線上にあるようです。それから他のカスタムモデルと違い、バルブガイドにはプラスチック製を使用しています。
見た目だけだと、あの「ウェイン バージェロン」というインパクトには欠けますね。

YTR-8335LA 2nd Turning Slide & Valve Casing 右側が2番管 YTR-8335LA Valve Casing & Pistons

***ベルにサインかなんか入れたら、もっと人気が出るかもしれませんよね?
それだとプレミアム感が高まりますが、他も上がるかもしれないので、個人的にはあまりありがたくないなあ・・・

***じゃあ地味な外見をスルーして、試奏して吹奏感とかその辺は、どうでしょう?
(ヤマハの楽器にしては)抵抗が少ない方…かな?(エア)スルーですね(ははは・・・・・)失礼しました、スムーズっていうのか、エアーがよく入ります。でも「持っていかれる、取られる」という感覚はないので、(こういった吹奏感が)好きな人も多いはず。エアーの入る量(以上?)に比例して鳴ってくる感じなので、その辺にストレスを感じるところは全くありません。メカニカルなところでいうとベルもそうですが、オリジナルリードパイプとLボアで取っているメインチューニング管の組み合わせが、この楽器の吹奏感に影響しているのではないかなあー?と思っています。とにかく気持ちよく吹けますね。レギュラーレンジトーンそうですが、ハイトーンもこんな風に!ピューン!(と、ジェスチャーで)。
あと当然と言ってはなんですが、レスポンスも非常にいい。

YTR-8335LA 3rd Turning Slide & Main Turning Slide YTR-8335LA LH Valve Casing

***なるほど。その他に特徴のようなものはありますか?
このところのヤマハはずいぶん変わってきていますが、やっぱり興味深いですね。
まあとにかく、好みかそうでないかは別として、アクティブでマイク乗りの良いサウンドがラスヴェガス!です。

***ラスヴェガス??ですか。
派手にならせそうなので。

***いやあ、それならハリウッドでしょ?LAなんで・・・
そういえばそうですね。
まあ、いいや。ブリリアントまでいかないところブライトで音色に適度に派手さがありますからそんなふうに言っちゃいました。もちろんただ派手なだけでなく、プレーヤーの方向性からミドルやロートーンのサウンドを上手く使えば、ソロも十分おもしろそうですし、マウスピースとかを工夫してみるとまた違った顔がみえるかもしれません(実際、彼は両方をこなしていますが)
あと、この楽器はライトチューニング仕様になっているんですよね?、(ノーマルとは違って)広がっていくところがなく、音割れが全然感じませんね、そんなところですか?あとハイトーン含め、全体的に音のポイントがしっかりしているので、狙って当たりますね。

***はい、ヤマハの良さを活かしてもう少しこんな風になるといいなあ・・・なんて感じでチコッと触りました。したがって「レーシングマシーン」というわけではありませんが、全体的に変わっていると思います。ハイトーン(のアタリ方)レンジは変わっているはずですが、音のツボを作ったわけではないのですが・・・まあ、その辺りを意識すると気が付かれるかもしれません。あと音割れもしにくいはず・・・です。

へえー!でもいい感じです。

***ありがとうございます、最後に何か一言お願いします。
この楽器の場合、オリジナルのキャラクターを生かしつつ、オリジナルのLAよりシャープに仕上がっているみたいなので、方向性を絞らず使えばより楽しそうですね。

***ありがとうございました。
店主より
以前YTR8310とYTR8335も同じようにライトチューンモデルを作っておいていました。ゼノ(=YTR8335)が、最後まで残るだろうと思っていたら思ってもいない、20年来の付き合いのあるTさんがご購入、最後のLAが残ってしまいました。相性の合う方、お待ちしております。
税込販売価格は時価