Selmer “Soloist”  Alto Saxophone Mouthpiece③

メーカ名:Selmer
型番・仕様:Soloist・Rubber

元々は、何十年か前に生産されていたモデルを再生産し始めた、いわば「オールド」ものの復刻版。セルマーマウスピースのバリエーションの一つで、地味ですが、クラシカル、コンボジャズの双方にニーズがあります。
 

きめが細かくクリアー、クセの無い吹奏感など、安定感があって扱い易いところは、他のセルマーマウスピースと共通するところ。一見?したところではS-80と合い通じるところがありますが、音色はそれより暗め、よりまとまり感のあるサウンドを作り上げます。セルマーのマウスピースにあって「クラシカル」「ジャジー」ともにニーズがありますが、ベーシックなS-80/90とは異なり、「とりあえず」というよりサウンドメイクにもう一段踏み込みたいプレイヤー向け。初めからこれを目掛けてーと言うよりは、事前リサーチとか試奏からのアプローチが多いようです。

ジャズプレイヤーだとケニーギャレットの使用が有名で、オールド物(のショートシャンク:#1)を使っているそうですけど。でもまあ彼のアグレッシブな演奏を聴いていると、とても解説のようなイメージにはなりません。しいて言えば音色の暗さとにかすかに漂うスモーキーさくらいかと…。こんなスタイルだと他のマウスピースでもよくはないか?と、凡人よろしく思ってみたりもしますが、それだとケニーギャレットの意味が無いんじゃないんですか?って指摘されていました。そういったスタイルでもいいのだけれど、まずはノイズを含ませテナーがかった渋いアルトを目指すのがおススメです。

表示はS-80と同じ、ただし設定はC☆からFまで。比較的満遍なく需要が高いようですが、セルマー全体的なニーズで言うとS-80&90シリーズよりは、かなり控えめ。アルト&テナーサックス用のみの設定で、リガチャー、キャップは付属しません。

#1:「オールド物のショートシャンクを使っている」という話ですが、ショートシャンクを使っていた時期はあまり長くないのだそうです。(貴重にも本人と話したという)方がいうには、「このタイプのマウスピースはめちゃめちゃ気に入っていたわけではないらしく、なぜか同じソロイストでもロングシャンクのものをずっと使っている」と言っていたそうです。ただ「相当前の話だから今もそうなのか知らないけど…」と真実ともガセとも言えない情報です