普通はピッコロトランペットと言いますが③

メーカ名:H Selmer
型式・仕様:365B・Picc TP/SP

セルマーは、言わずと知れたサックスのトップブランドでして、木管楽器に特化した近年は特にそのイメージが強いしそのもの言ってもよいくらいだろう。かつてはピストンとローターバルブの混在した変わったホルン、「ミッドシップ」的特異なシルエットだったバランスドモデルやKモディファイなど、オールドものから近年の”CHOLUS”や”CONCEPT”など目立たないところでも少なからず金管のラインナップがあったことを覚えている方も少なくないだろう。
セルマーのピッコロトランペットと言えばオールドファンに懐かしいモーリスアンドレ。バロック音楽を金管楽器での可能性とその世界を世に知らしめたプレイヤーであり、契約解消によりストンビに替わるまで同社のモデル360を使っていました。

モーリスアンドレを知っても知らなくてもきらびやかでスウィートなサウンドが、このトランペットの魅力だったが、セルマーは2011年に金管楽器全般を廃版として、身近に貴賓漂う一品が味わえなくなったのが残念なところです。
365Bは360の後継機種、A-B♭の替え管をはじめ、前モデルよりトリガーキイが付属。金管アンサンブルなど一般的には、B♭管(のピッコロトランペット)として使われることが多い事からそのイメージが強いが、A管トランペットとしての価値はもっと捨てがたく、モーリスアンドレのバロックとは言わないまでも古い時代のクラシックなものを小規模なオーケストラとかで(指揮者が許せば、もしくは無視して)使ってみたら新たな(密かに)楽しみが増えることだろう。
めったに出ないであろう(金管)製造の終わる晩年の製品でA管用の替管付き、二番管に触るとわかるキズ状の凹み(修復痕)がある他には、これといったダメージがなくシルバーのまぶしい美品。
Sold Out
ありがたいことにお買い上げ頂きました。A管で使われるそうです。ついでにモーリスアンドレについて聞いてみましたが、やっぱり「?」かわりにエリックオビエさんをお勧めしておきました。