楽器屋さんの修理のお話

「楽器の修理をお願いしたいのですが・・・」
-はいはい、ピアノやギターはやってませんが、管楽器全般ならー
「フルートです」
-ぜんぜん、問題ありません、大丈夫です。音出ますか?出難いところがあるとか、キーがおかしいとか、具体的な症状はどうですか?あと要望っていうか希望内容とか。
「全部変えてもらいたいんです」
-え?全部と言うと全パッド交換ってことですか?そんなにひどい?
「まあ見た目は、なんとか・・・」
-???。と言うと?
「水害で・・・」
ー水没とか流されたとか?どっちも一緒か・・・。

台風とか水害のニュースのたび、遠方から様子をうかがう連絡を頂くのですが、ありがたいことに避難するような事にはなっていません。でも、こんな形で関わる事となりました。

洗濯機のように揺られたか?小さなキズが目に入ります。まあ、とにかく分解、ヘッドコルク、反射板、本体もキイ、(超曲者の)ノックピンを抜いてインナーシャフトもろとも外せるものは全てはずしました。分解も何とか、管体をかざすもひずみがあるようにもないところから「圧」が掛かっているようではなさそうだ。
あと当然軟物も全とっかえ、見た目の問題ではありません。
さあ分解したところで洗浄、最後にアルコール洗浄までして「やりすぎかなあ?」思いつつも、状況が普通じゃあない。
乾いたところで軽く磨きを施し、管体の嵌め合いを調整、反射板にヘッドコルクを取り付け押し込む。ポジションを合わせたところで王冠を取り付け、頭部管は終了です。
次、本体はキイを一部組み立て、パッドを準備、後はいつもと同じです。

聞かなければ全くわからないようにはなりましたが、ケースごと巻き込まれたそうで、ケースは新調、無事お持ち帰りになりました。