B♭ Trumpet V.Bach 180ML 43SS/25 GL Report

B♭Trumpet
V.Bach 180ML 43SS/25 GL(スターリングプラスベル仕様)
前回に続き、今回もバックを取り上げてみました。皆さんが、よくご存知のスタンダードモデル以外をリポートしてみました。
「いまさら‥」なんて声をたくさん頂きますが、折角なので最後までお付き合いの程、お願いします。今回は、180ML 43SS/25 GL スターリングプラスベルのモデルを取り上げてみました。それではどうぞ!
180ML 43S/25 GL Bell

***まずは、仕様を説明して頂けますか?
スタンダードウェイトボディにノーマルタイプ#25リードパイプ、ミディアムラージボアと、この辺りはスタンダードモデルと同じです。ベルはスタンダードの#37よりベルフレアーの大きい…太いタイプですね。根元の方から太くなっているのかな?あと材質が99.9%のピュアシルバーのシームレスベルになっているようです。一般的にいってブラス材の場合、板を巻いて、そのつなぎ目を溶接し、ベルの形に整形しますが、「シームレス」とは、その「つなぎ目がない」ベルということです。

あと余談ですが、ヤマハのトランペットの中に、そのつなぎ目がサイド(延べ座、支柱がついている側)にくる様に作られているものがあり「サイドシーム」というのは、このことです。でも「シームレス」ってどうやって作っているのでしょうね???
***すいません、私に聞かれてもちょっと‥。ところで見た感じ…第一印象とかは、どうですかね?
形は同じです。(当たり前ですね)一般的に言ってシルヴァープレートが多く出回っているので、ラッカー自体珍しいようですが、この楽器の場合、やはりラッカーかな?。スターリングプラスベルが映えます。違う楽器みたいですよね?隣の人が気になるかもしれません。あと持った感じ、重いようです。

180ML 43S/25 GL Valve Sectionon 1 180ML 43S/25 GL Valve Sectionon 1

***どうです?試奏したところでは?私の方は、結構ヘヴィな印象を持ちましたが。
そうですね、スタンダードに比べ…比較的抵抗感があると思います。ただ抵抗感についてはスタンダードをはじめ他のモデルでもキツイものがあったりしますから、「特別」ではないと思うのです…が、エアスルーと鳴り方のバランスですかねえ、新品特有の音のカタさはあると思いますが、「エアーの入り方で言うともっと強力に鳴るのではないか」と思うとやっぱり抵抗・・・受け止めっていうのかーが強いのでしょう…ひょっとして鳴らしきれてないのかな?まあ、その辺は新品としてのサウンドのカタさもありそうだし、楽器の重さも影響しているのかもしれません。

180ML 43S/25 GL In back 180ML 43S/25 GL Under side

***音色とかその辺はどうでしょう?
キメが細かくメローで良い感じです。特に低い方の倍音がスタンダードより多めに出ているからだと思うのですが…特にフォルテの時など、サウンド(芯?)が太いし、重量感のある、音圧を感じるような鳴り方ですね。倍音が凝縮されたような密度感があります。(鳴り方から)音色が暗めに感じる事も無いと思います。かといって目立つというか、突出することはありませんね。この辺は、この楽器というよりバックの共通点かもしれませんが…。

***最後に何かあれば。
もちろん一般的にいってバックはジャンルを選ばない楽器の一つですが軽快感、ドライブ感のある音楽よりも、この楽器の場合、前にも言ったように重量感のある「太い」鳴りや音色を活かしたクラシック音楽などの重厚なもの、例えばオーケストラとか…の方が得意そうです。その他だと、えーと…そう!きめの細かい音色のところを使ってソロなんかどうでしょうね?あとは、うーんそうだなあ…  あまり(音が)割れそうなところもないので吹きまくりたい人? なんかにも…良いかもしれません。

このタイプの最後の在庫で、製造年は1990年代の中頃、中々お目にかかれない逸品です。当然アルチザンなんて言うのもなく、バックが”180”シリーズーいわゆるストラドをラインナップして「スターリングプラスベル」をラインナップに加えた初期のもので刻印も深くて目立ちます。(最初期のスターリングプラスベルには、ベルインナーがゴールドプレートでした。今でもお持ちになっている方がいれば、少し鼻が高いかもしれません。ここにあるものはインナーゴールドプレートではなく、ケースもフラットタイプの一本入り)
税込販売価格¥495,000です。